目次
佳奈さんのプロフィール

【お名前】佳奈
【病名】全身性エリテマトーデス
【その他持病】白内障(手術済み)
【性別】女性
【発症年齢】10歳未満
【現在の住まい】千葉県
【現在の年齢】44歳(2026年時点)
症状や治療法
● 初期症状
長期の微熱、倦怠感
● 発症~診断までの期間
2週間~1か月
● 現在の症状
倦怠感, 疲労感
● 現在の治療法
ステロイド(プレドニン、ステロイドパルスなど)、 免疫抑制薬(イムラン、アザニン、セルセプト、エンドキサン、など)
● 再燃の経験の有無
あり
● 病気のことを一番相談できる人
なし
● 初年度の医療費(窓口負担額)
なし
● お仕事の有無
就業中(自営業)
● 日常生活で工夫していること
焦らないこと
● 周囲にお願いしたいこと
・「仕事辞めたい」と実際に口に出すときはもう心身がかなり深刻だと思って欲しい(最近家族にそこをわかってもらえていない気がしている)
・患者が健康な人と混ざって仕事をするということの覚悟
● 早期発見のために、当時の自分はどうすればよかったと思いますか?
YouTubeインタビューはこちらをご覧ください。
動画投稿日:2026/5/24
佳奈さんのご紹介

本日はゲストとして、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんである佳奈さんをお呼びしました。佳奈さん、本日はよろしくお願いします。

はい。よろしくお願いします。

ではまず最初に、自己紹介をお願いします。

はい、佳奈と申します。現在44歳で、全身性エリテマトーデス(SLE)は9歳くらいの頃に発症しました。なんとか頑張って生きております。今はフリーランスとして働いています。

ありがとうございます。では早速、SLEについてお話を聞いていこうと思います。
佳奈さんの症状と治療
症状や治療内容は、患者さん一人ひとりで異なります。また、注釈に記載している医学用語などの解説は、読みやすさを重視して記載したものであり、医学的な監修を受けた内容ではありません。
詳しくは、かかりつけの医療機関や担当医にご相談ください。
9歳でSLEを発症|最初の症状は「微熱」と「疲れやすさ」

Q:先ほど、最初に症状が出始めたのは9歳頃とおっしゃっていましたが、何か初期症状はありましたか?
A:そうですね。記憶がかなり昔のことなので、あまり覚えていない部分も多いんですけど、一番覚えているのは、ずっと微熱が続いていたことですね。
あと、疲れやすかったです。 親が熱を心配して近所の病院に連れて行ってくれたんですが、なかなか改善しなくて。それで大きい病院を紹介されて、そこで分かったという感じです。
Q:なるほど。微熱などが出始めてから、大きい病院へ行くまでにはどのくらいかかったんですか?
A:記憶の感じだと、そんなに長くはかからなかったと思います。紹介される時点で、うすうす疑われていたのかもしれません。割とすぐ入院して、いろいろ検査をして、すぐにステロイド治療が始まった感じですね。
Q:最初は小児科を受診して、「大きい病院で診てもらった方がいい」と言われた形なんですね。
A:そうですね。
Q:大きい病院では、検査後すぐにSLEと診断されたんですか?
A:そのあたりの記憶が少し曖昧なんですが、多分そうだったと思います。
腎臓の悪化と長期入院|院内学級で過ごした日々
Q:入院もされたとのことでしたが、診断後すぐに治療が始まったんですか?
A:はい。大きい病院に行ってから3か月くらいで、数か月単位の入院になって、ステロイド治療も始まりました。
Q:その時のステロイド量は多かったんですか?
A:最初はそこまで多くなかったと思います。でも、発症して1〜2年後くらいに腎臓を悪くしてしまって、そこからはかなり強い治療になりました。
Q:点滴や服薬も含めての治療だったんですね。
A:はい。薬も何錠も飲みましたし、ステロイドパルス療法も行いました。当時は、ステロイドと、効かなければ免疫抑制剤というのが主流で、それしか選択肢がない時代だったと思います。とにかく薬を使う治療でした。
「ただ事じゃない」─11歳で病気を理解した瞬間

Q:当時の気持ちは覚えていますか?
A:やっぱりあまり覚えていない部分も多いんですが、発症して1〜2年くらいは子どもだったこともあって、しっかり説明を受けた記憶がないんです。徐々に自分の状況が分かっていった感じでした。
実際に「SLE」という病名を知って、「ただ事じゃないな」と感じたのは小学校5年生くらいですね。
その頃、腎臓が悪化して、さらに専門的な病院へ転院することになりました。入院も長くなるので、院内学級へ転校する話も出てきて…。
それでさすがに「大変な病気なんだ」と感じました。転院先の病院が、「子どもでもきちんと説明をする」という方針だったので、正式に自分の病状を理解したのは11〜12歳頃でした。
Q:院内学級は小学校高学年の頃から通われていたんですね。
A:そうですね。
Q:中学校は普通校に通われたんですか?
A:はい。入学式の少し前くらいに退院できて、そのまま地元の中学校へ通いました。ただ、中学3年生の時にまた院内学級へ戻ったり、また学校へ戻ったりと、かなりバタバタしていました。
学校生活と周囲の理解

Q:学生時代、勉強や部活、友人関係などいろいろあると思いますが、病気を抱えながらの生活で印象に残っていることはありますか?
A:正直、「楽しかった思い出」というより、不便だなと感じることの方が多かったですね。
ただ、両親がしっかりしていて、中学や高校に進学する時も、事前に先生方へ説明をしてくれていたんです。「今どういう状態で、こういう配慮があると助かる」ということを伝えてくれていました。 先生方も理解してくださって、本当にありがたかったですし、友達も協力してくれる人がいました。
Q:体育や学校行事はどうでしたか?
A:ほとんど参加していませんでした。
Q:やはり体力的にも大変ですよね。
A:そうですね。
Q:病気のことは友達にも話していましたか?
A:小中学校は同じメンバーだったので、私が入退院を繰り返していることはみんな知っていました。「体が弱いんだな」というのは自然に理解してくれていたと思います。
ただ、高校は全く違う環境だったので、その時は先生に説明してもらっていましたね。
就職への不安と最初の職場との出会い

Q:学校卒業後のお仕事についても聞かせてください。最初から今と同じ業界だったんですか?
A:いえ、全然違います。今はフリーランスで文章関係の仕事をしていますが、最初はパソコンのインストラクターでした。
Q:パソコンの使い方を教える仕事ですね。
A:はい。少人数制で、地元のお年寄りの方が多かったので、のんびりした雰囲気でした。
Q:就活の時、病気のことは伝えていたんですか?
A:実は、そのパソコン教室は学生時代に通っていた場所だったんです。先生とも仲良くしていただいていて、以前から病院に通っている話などは少ししていました。その後、たまたま急募しているタイミングで声をかけたんです。一応正式な選考は受けましたが、その時に「こういう病気があります」と伝えました。
Q:ある程度理解がある状態で入社されたんですね。
A:そうだと思います。
「働けないかも」から始まった社会人生活
Q:仕事を始めて、大変だったことはありますか?
A:たくさんあります。実は最初、不安が強すぎて、「自信がないから働けません」と断りの連絡をしたこともあるんです。
Q:そうだったんですね。
A:でも、「時短勤務でもいいからやってみない?」と言っていただいて。それで、最初は週5日だけど9時〜15時くらいの勤務から始めました。 少しずつできることが増えて、自信がついてくると、「もっと挑戦したい」という気持ちが出てきて。そこから転職を繰り返しながら今に至っています。
Q:最初の職場との出会いが大きかったんですね。
A:本当にそう思います。あの時引き止めてもらえなかったら、今の自分はいなかったと思います。
フリーランスとして働く難しさ

Q:現在はフリーランスとのことですが、病気を抱えながら働く中で難しさはありますか?
A:ありますね。一番困るのは、「その日にならないと体調が分からない」ということです。
でも仕事には納期があります。スケジュールを詰めすぎて、「この日休んだら間に合わない」ということも多いんです。
もちろん無理して頑張るんですが、どうしても無理な時はSOSを出して助けてもらっています。
Q:早めにSOSを出すことも大事なんですね。
A:そうですね。でも、どうしても頑張りすぎてしまうんですよ。「弱音を吐いたら信頼を失うんじゃないか」と思ってしまって。
生活リズムとメンタルの変化
Q:普段の体調管理で気をつけていることはありますか?
A:実は、あまりできていません(笑)。
フリーランスなので時間の制約が少なくて、生活リズムが崩れやすいんです。
ただ、ちゃんと朝起きて、昼から仕事をして、夜に寝るというサイクルが整うと、やっぱり体調は良いですね。 逆に昼夜逆転すると、本当に調子が悪いです。
Q:精神面ではどうですか?
A:昔は自分はメンタルが強い方だと思っていました。でも最近は、生理周期や年齢的な変化もあって、かなり影響を受けるようになりました。
仕事のことでも悩みますし、生理前は特にネガティブになってしまいます。 ただ、仕事で悩んだ時は、なるべく誰かに相談するようにしています。今関わっている会社が、相談しやすい環境を作ってくださっているので、それは本当にありがたいですね。
家族との距離感
Q:ご家族との関係はいかがですか?
A:私は結婚していないので、頼れるのは両親と姉ですね。でも、実は病気の話はほとんどしないんです。
多分、私が元気にしているから、あえて聞かないでいてくれているんだと思います。その距離感がすごく心地いいですね。 「ずっと味方でいてくれる」という存在だけで十分ありがたいです。
長年の治療と副作用
Q:現在の治療についても教えてください。
A:子どもの頃からずっとステロイドを飲んでいます。今はメドロールという薬と、免疫抑制剤のネオーラル、セルセプトを服用しています。
Q:副作用はありますか?
A:いろいろありました。子どもの頃には圧迫骨折も経験しましたし、身長も140cmしかありません。長期間ステロイドを使っていた影響もあるのかなと思っています。 あと、2年前には白内障の手術も受けました。
Q:白内障もステロイドの影響なんですね。
A:そうですね。40代で手術するのはかなり早いと言われました。でも視界がかなり悪くなっていたので、「早いうちに手術した方がいい」と言われて受けました。
若い患者さんへ伝えたいこと

Q:最後に、この動画を見ている皆さんへメッセージをお願いします。
A:同じような病気を持っている方、特に若い方には、「人間関係を大切にしてほしい」と伝えたいです。
どんなつながりが、何年後に自分を助けてくれるか、本当に分からないんですよね。
実際、今一緒に仕事をしている会社も、昔働いていた会社なんです。当時の私は、会社にとって決して優秀な社員ではなかったと思います。でも、元同僚が私をすごく評価してくれていて、その言葉がきっかけで今の仕事につながりました。 だから、人とのつながりは本当に大事にしてほしいなと思います。
Q:ありがとうございます。本日はSLE患者の佳奈さんにお話を伺いました。佳奈さん、本日はありがとうございました。
A:こちらこそ、ありがとうございました。
