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りりーさんのプロフィール

【お名前】りりー
【病名】急速進行性糸球体腎炎
【その他持病】なし
【性別】女性
【発症年齢】30代
【現在の住まい】福岡県
【現在の年齢】52歳(2025年時点)
症状や治療法
● 初期症状
頭痛・吐き気・倦怠感
● 発症~診断までの期間
2週間~1か月
● 現在の症状
倦怠感
● 現在の治療法
ステロイド(プレドニン、ステロイドパルスなど), 免疫抑制薬(イムラン、アザニン、セルセプト、エンドキサン、など)
● 再燃の経験の有無
あり
● 病気のことを一番相談できる人
患者団体
● 初年度の医療費(窓口負担額)
覚えていない
● お仕事の有無
正社員にて週20時間~30時間以内で就労
● 日常生活で工夫していること
ストレスや疲れを溜めない、睡眠をしっかりとる。
● 周囲にお願いしたいこと
見た目が元気そうでも、病人であることを知っていて欲しいです。
「無理してるのでは?」と察してくれたりすると泣けます。
● 早期発見のために、今の自分ならどう動きますか?
症状を細かく伝える。血液検査で判明することもあるので、ネット等で調べて「この病気では?」と思ったら「調べてください」と患者側からお願いするのも良いと思います。
YouTubeインタビューはこちらをご覧ください。
動画投稿日:2024/06/30
りりーさんのご紹介

本日は、ANCA関連血管炎を原因とする急速進行性糸球体腎炎の患者さんである、りりーさんにお越しいただきました。りりーさん、よろしくお願いいたします。 よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

まずは自己紹介をお願いします。

ANCA関連血管炎による急速進行性糸球体腎炎という病気を持っている、りりーと申します。発症は2008年で、もう16年ほど腎臓病と付き合っています。
現在は、同じような病気と向き合う方々のために、自分にできる活動をしながら毎日を過ごしています。

このご病気には「ANCA関連血管炎」という名前が付いているわけではないのですね?

そうなんです。私の場合、特定医療費受給者証には「急速進行性糸球体腎炎」として登録されています。

それでは、いろいろとお伺いさせてください。
りりーさんの症状と治療
症状や治療内容は、患者さん一人ひとりで異なります。また、注釈に記載している医学用語などの解説は、読みやすさを重視して記載したものであり、医学的な監修を受けた内容ではありません。
詳しくは、かかりつけの医療機関や担当医にご相談ください。
倦怠感・頭痛・吐き気に襲われる

Q:2008年に発症されたとのことですが、その時の状況について教えてください。
A:最初に感じたのは倦怠感で、頭痛や吐き気も1〜2週間ほど続きました。当時は仕事が忙しかったので、「疲れているだけ」「年のせいかな」と思い込んでいたんですが、あまりにつらくて、仕事に行く前に近所の内科を受診し、点滴をお願いしました。そのとき先生が「ついでに血液検査をしておこう」と言ってくれて、腎臓の数値の悪化が判明しました。
Q:それ以前に、持病などはありましたか?
A:全くありませんでした。本当に突然のことでした。
Q:腎臓以外の異常はありましたか?
A:なかったです。腎臓のクレアチニン値と尿所見(タンパク尿・血尿)だけが悪くなっていました。
急性腎炎の可能性を指摘される

Q:内科での検査の後、どのような診断がされましたか?
A:内科の先生から紹介状をいただき、総合病院で診断を受けました。
最初は「急性腎炎の可能性がある」と言われ、1週間ほど塩分制限と安静にするように指示されました。しかし、1週間後に再診すると数値が悪化しており、すぐに入院することになりました。
その後、詳しい検査を進めていくうちに、ANCAの数値が非常に高いことが分かりました。
劇的な改善から再燃へ

Q:入院中にはどのような治療が行われましたか?
A:ステロイドパルス療法を3日間 × 2クール行いましたが、効果はなく、1か月ほど入院しても数値は改善せず、「これ以上できる治療がない」と言われ退院しました。
その後、外来通院で「エンドキサン(免疫抑制剤)」を使い始めたところ、劇的に数値が改善しました。
Q:その後の経過はいかがでしたか?
A:しばらくは寛解状態を保てていて、2019年までは安定していました。
しかし、ステロイドを3mgまで減らした際に再燃しました。主治医は5mgの継続を勧めていたのですが、私が希望して減らしていたのです。
再燃時には再び腎生検を受け、ステロイドパルス療法を再開しました。
Q:再燃時はどのような症状がありましたか?
A:自覚症状はそれほどなく、血液検査で「こんな数値見たことない」と思うほど、急に腎機能の数値が悪化していました。同時に尿所見(尿蛋白・尿潜血)も急激に悪化し、ANCAの数値も上昇していたため、再燃と診断されました。
治療の選択肢は模索中
Q:現在はどういった治療をされていますか?
A:ステロイドに加え、リツキサンの点滴を受けた後、イムラン(免疫抑制剤)を内服し、寛解を維持してきました。しかし、直近の検査で腎機能の悪化が見られ、新たな治療の選択肢について主治医と相談予定です。
Q:主治医の先生は途中で変わられたそうですね?
A:はい。最初の先生が定年退職されたため、現在の先生は2人目です。
Q:主治医が変わってから意識していることはありますか?
A:最初の先生は少しの変化にも敏感に反応してくださっていたのですが、今の先生は「横ばいですね」と楽観的に言う傾向があり、私としては違和感を覚えることもあります。 そのため、最近は自分から「1か月後に診てほしい」と言うようになり、主体的に関わる意識が強くなりました。
職場の理解に助けられる

Q:病気のことは職場に伝えていますか?
A:どの職場でも必ず病気のことは伝えるようにしています。「定期的に通院が必要ですが、仕事には全力を尽くします」と話し、採用してもらう形です。今の職場では5年ほど勤務しており、仕事量も多いですが、検診の翌日に「どうだった?」と声をかけてくれたり、「今日は無理しないで」と言ってくれるなど、ありがたい環境です。
Q:日常生活で心がけていることはありますか?
A:睡眠をしっかりとることを最優先にしています。
また、食事は基本的に自炊で味付けも控えめです。その分、たまの外食では好きなものを食べてストレスをためないようにしています。
Q:ご家族やご友人には病気のことを伝えていますか?
A:「腎臓が悪くて、透析の可能性もあるかもしれない」という程度の話はしていますが、病名や原因まで詳しく話すことはあまりありません。
どんな状態の自分にもOKを出す!

Q:最後に、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
A:私も長年、血管炎や腎臓病と付き合っています。
一生治らない病気になると、「もう何もできない」と絶望したり、無理に受け入れようとして苦しんだり、自分を責めてしまったりすることがあると思います。
でも、それって誰しもが通る道だと思うんです。
そういう「もやもや」した時期を経て、病気と向き合いながら自分らしく生きられる時がきっと来ます。
だから今、自分のことを否定しないで、どんな状態の自分にも「OK」を出してあげてほしいなと思います。
Q:りりーさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
A:ありがとうございました。