全身性エリテマトーデス”まき”さんのインタビュー

目次
  1. まきさんのプロフィール
  2. まきさんのご紹介
  3. はなさんの症状と治療
    1. 首の前部分が腫れている|13歳で橋本病に
    2. 自覚はなかったが…|15歳でSLEと診断
    3. 学生時代はいろいろな悩みを抱えていた
    4. 昔は病気を隠して就活していた
    5. 病気を開示して働くことに”意味”がある
    6. 仲間同士のピアサポートを利用してメンタルを整える
    7. メッセージ

まきさんのプロフィール

まきさん

【お名前】まき

【病名】全身性エリテマトーデス

【その他持病】橋本病、気分変調症、脱毛症、緑内障

【性別】女性

【発症年齢】10代

【現在の住まい】神奈川県

【現在の年齢】52歳(2025年時点)

症状や治療法

● 初期症状

発熱、皮疹、関節炎、倦怠感

● 発症~診断までの期間

2週間以内

● 現在の症状

疲労感, 光線過敏症

● 現在の治療法

ステロイド(プレドニン、ステロイドパルスなど)、免疫調整剤(プラケニル)

● 再燃の経験の有無

あり

● 病気のことを一番相談できる人

医師/医療関係者

● 初年度の医療費(窓口負担額)

覚えていない

● お仕事の有無

自営業で週10~20時間以内の就業中

● 日常生活で工夫していること

疲れをためないよう、活動量を調整。感染症対策(手洗い、マスク)。なるべく直射日光にあたらない(日傘や帽子など)。WRAP(元気回復行動プラン)のワークショップに参加してセルフケアをしています。

● 周囲にお願いしたいこと

過剰な配慮は必要ないということ(普通に接して欲しい)。

● 早期発見のために、今の自分ならどう動きますか?

もともと甲状腺炎の治療をしていて、血液検査をしている中で、膠原病が発症する可能性があることを告げられました。その後すぐ発症したので、自分で気づくというより、医師がすぐ対応してくれました。

YouTubeインタビューはこちらをご覧ください。
動画投稿日:2025/11/16

まきさんのご紹介

Masaya

こんにちは、masayaです。今回は全身性エリテマトーデス(SLE)、そして自己免疫疾患の橋本病の患者さんをゲストにお呼びして、子供時代のお話や現在の取り組みなどをお聞きしてみたいと思います。本日は、まきさん、よろしくお願いいたします。

まきさん

よろしくお願いいたします。

Masaya

まずは自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。

まきさん

はい。名前はまきと申します。年齢は52歳で、疾患名は橋本病っていう甲状腺の病気と、全身性エリテマトーデス(SLE)の診断を受けています。今年7月に「サードプレイスぴあるく」という団体を立ち上げまして、地域で生きづらさを抱えている方の居場所となるフリースペースや、学びの場のワークショップを開催しています。よろしくお願いいたします。

Masaya

ありがとうございます。よろしくおねがいします。橋本病も膠原病と同じく自己免疫疾患ということで、そちらについても詳しく聞いていこうと思います。

はなさんの症状と治療

症状や治療内容は、患者さん一人ひとりで異なります。また、注釈に記載している医学用語などの解説は、読みやすさを重視して記載したものであり、医学的な監修を受けた内容ではありません。
詳しくは、かかりつけの医療機関や担当医にご相談ください。

首の前部分が腫れている|13歳で橋本病に

首の前の腫れを気にする学生
首の前の腫れを気にする学生

Q:橋本病とSLE、発症したのはどちらが先になるんでしょうか。

A:橋本病の方ですね。

注釈

橋本病(はしもとびょう)は、体の免疫が自分の甲状腺を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患です。甲状腺は体の代謝を調整する大切な臓器で、働きが弱くなると疲れやすい、寒がり、体重増加、むくみなどが起こります。血液検査で診断でき、必要に応じて薬でホルモンを補うことで日常生活は安定して送れるといわれています。

Q:橋本病の初期症状が出始めたのはいつ頃になりますか。

A:はい、13歳、中学1年生の時になります。

Q:その時はどういう症状が出たんですか。

A:ある日、なんか首の前の部分が腫れているなと思って、触ると結構大きく硬く感じたので、母に伝えて、近くの小児科に行ったことが始まりだったと思います。

Q:橋本病が診断されるまで、どのくらいかかりましたか。

A:すぐ病院に行って、「あ、これは甲状腺だね」ということになり、甲状腺の専門医がいる病院を紹介されたんですね。転院して、すぐに入院という形になって、血液検査をした結果、「甲状腺ホルモンが少ないね」っていうことで…。

その時は橋本病という名称ではなくて、甲状腺機能低下症と言われて診断を受けたんですけれども、割と検査をしてすぐ分かったという感じでしたね。

自覚はなかったが…|15歳でSLEと診断

ひざの痛みを抱える女性
ひざの痛みを抱える女性

Q:次に、SLEと診断されていくと思うんですが、そのSLEの症状が出始めたのはいつ頃になりますか。

A:15歳、中学3年生の時です。

Q:甲状腺の関係で病院に行かれていたと思うんですが、その時にもう「SLEの症状が出ているよ」というお話はあったんですか。

A:自覚としては何もなかったんです。しかし、甲状腺の検査をしている中で、主治医から「自己抗体がある」と言われて、近いうちに膠原病が発症するだろうと言われたんです。

Q:じゃあ、ある程度予告されていたんですね。

A:はい。それからほどなくして、膠原病の症状がバーッと全身に出たという感じでした。

Q:例えば、どういう症状が出たんですか。

A:ある日ですね、高熱が出て、顔と体中が真っ赤になってしまったんですよね。鼻を中心にして頬に蝶が羽を広げたような赤い発疹が出てしまったのと、あと腕とか足とか、そういったところも真っ赤になってしまって。

他にも、関節痛ですね。とにかく、関節とか筋肉も含めてだと思うんですけれど、体中が痛くなったのを覚えています。

Q:その症状が出てから、SLEはすぐに見つかったんですか。

A:そうですね、もう症状がバーッと出てすぐに入院をして、すぐにSLEという風に診断をされました。

Q:難病だと診断された時って、どのように思われましたか。

A:主治医から難病と言われたんですよね。難病って言われて、何だかよくわからないけれども、大変な病気になってしまったんだなと思いました。

両親は詳しい説明を受けたのかもしれないですけれども、私はその時はざっくりとした説明しか聞いていなかったんです。その後、再燃を繰り返していく中で、「あ、膠原病ってこんな大変な病気になっちゃったんだな」っていうことを実感していくことになりました。

学生時代はいろいろな悩みを抱えていた

Q:学生生活で困ったことはありましたか?

A:『友達にどう思われてるかな』ということを気にしてしまっていた時期がありました。あとは、友達と同じように振る舞うことができないというか、おしゃれができないっていうことも悩みでした。

顔もムーンフェイスでまん丸になってしまうし、体重もすごい増加してしまって、見た目をすごく気にしていたので…。

あとは勉強ですよね。やっぱり入院をしてしまうので、勉強についていけないってことが心配だったりとか、そういったいろんな悩みを抱えていたように思います。

Q:最初、SLEが発症した時は、治療はどんなものだったか覚えてますか。

A:はい。治療はですね、入院してすぐにステロイドのパルス療法を行って。内服薬は、ステロイドのプレドニンを30mgから始まていたような気がします。

Q:今はどういう治療をされているんですか。

A:今はSLEの治療薬でプラケニルっていうお薬があるんですけれども、それを服用しています。あとステロイドのプレドニンを今1日6mg飲んでいます。それと、骨が脆くなってしまうとのことで、骨粗鬆症の予防薬も服用しています。

昔は病気を隠して就活していた

ソーシャルワーカーの後ろ姿イメージ
ソーシャルワーカーの後ろ姿イメージ

Q:次に、就職活動の時ですね。工夫したことであるとか、こういうところが大変だったな、みたいなものを覚えていればお話しいただけますか。

A:昔は、病気を隠して就活をしていた時期もありました。

自分の病状が安定していない時でもあって、なんか気にしてたんですよね。病気のことをオープンにして就活してしまうと、『採用されないんじゃないかな』とか、『どういう風に思われるかな』というところで。

なので、「隠さなきゃ」って思っていたんです。

Q:隠していた時期から、病気をオープンにするようになった心境の変化は何かあったんですか。

A:ソーシャルワーカーとして働き始めてからは、病気のことはオープンにして就職活動するようにしています。ソーシャルワーカーという職で、私は特に障害のある方の就労支援の仕事をしていたんですね。

疾患とか障害がある方たちでも、「働きたい」って気持ちを持っている方はみんな働けるような社会になってほしいという思いが根底にはあるのです。

自分が隠して働いてしまうと、「隠さないと働けないんだ」っていうことを、自分がそういうあり方をしてしまっているような気がしています。

病気を開示して働くことに”意味”がある

サードプレイスぴあるく
サードプレイスぴあるく

Q:ああ、なるほど、なるほど。

A:なので、自分自身がちゃんと開示をして働くっていうことを身をもって体現していきたいっていう考えで、今は開示をしてます。

Q:ありがとうございます。

そういったソーシャルワーカーのお仕事を通じて、今年サードプレイスぴあるくを立ち上げられたっていうことなんですけれども、仕事をする上で困ったこととかそういうことはありますか。

サードプレイス「ぴあるく」

仲間と出会い、つながり、語り合いながら、それぞれのリカバリーを共に歩んでいけるいばしょです。海老名を拠点に、フリースペース/ワークショップ/ピア相談/講師派遣・コンサル事業を展開。精神保健福祉士の資格を持つピアサポーター(まきさん)が運営。

A:今までの経験からもよく困ったことは、もうとにかく体力がなくて疲れやすいっていうことに常に困っていたように思うんです。

ただ、その疲れやすさっていうものが、膠原病の症状によるものなのか、それとも一般の健康な方たちも経験するレベルの疲れやすさなのか、どっちなのかなっていうことを判断に常に迷っていたような気がして。

Q:確かに。

A:ひどく疲れるんですけれども、でも周りの人も同じくらい疲れているかもしれないとか、そういうことを考え出すと、その「疲れやすいから無理ができないんだ」ってことを職場にどう伝えればいいんだろうっていうことを、常に迷っていたような気がします。

Q:日常生活の中で、何かこう気をつけていることであるとか、工夫されていることっていうのはありますか。

A:もうとにかく無理をしないっていうことを心がけていて。大事な仕事とか活動のある日の前日は、もうとにかく早く寝るとか。あとはスケジュールを詰め込みすぎないようにしています。

土日や休日の時は、休みの日をちゃんと確保して、「この日は一日ゆっくり休む」っていうことを決めるようにしています。

仲間同士のピアサポートを利用してメンタルを整える

Q:メンタルに対してはどういう風に対処されていますか。

A:私はですね、疾患で気分変調症っていうものも持っているんですよね。メンタルの不調に関しては、その精神科の主治医に相談をして、ちょっと薬を調整してもらうとか、あと自分の気持ちを話したりっていうことをしています。

あとは、同じ膠原病の患者さんたちが集まる交流会っていうものに参加をしたりとか。そういった場所で、日々の生活の中でできる工夫を参加者の方たちと分かち合ったりとか、自分がちょっと辛いんだっていうような話をしたりして。

そういう仲間同士のピアサポートっていうものを受けて、メンタル不調を何とか乗り切っているかなって思います。

注釈

気分変調症(現在は「持続性抑うつ障害」とも呼ばれます)は、強い落ち込みではないものの、気分の低さが2年以上続く心の病気です。疲れやすい、やる気が出ない、自分を責めてしまうなどの状態が慢性的に続きます。性格の問題ではなく、治療で改善できる病気で、カウンセリングや薬が役立つと言われています。

Q:周囲の方に「こういう部分サポートしてほしいな」とか思うこともありますか。

A:そうですね、ま、症状についてざっくりと知っておいてもらえたらいいなとは思っていて。例えば、家族とかもですね、高熱が出ることがあるんだってことはざっくり知っておいてもらえたらいいなっていう風には思います。

私は今でも高熱が出ることがあるんですよ。そういう時はもう、家族に「病院に連れてってください」っていうようなことを事前に伝えておいたりしています。

あとは、そんなに過剰に心配してもらうことは必要はないかなという風には思っていて。そんなに特別視せず、普通に接してもらえたらいいかなっていう風に思っています。

メッセージ

Q:学生生活を今振り返った時に、当時の自分にどのようなメッセージを伝えたいですか。

A:私はすごく病気であるっていうことを気にしていたんですよね。周りの子供たちに知られたら、病気の自分はなんか変に思われるんじゃないかとか、病気である自分に対して自信が持てなかったんです。

でも、今思うと、なんであんなに自信が持てなかったのかなって思うんですよ。病気になったことは別に悪いことではないというか、別に私も悪くないし、家族が悪いわけでもないし、誰のせいでもないので。

『病気だからと言って別に変に思われたりもしないですよ!』ってことを当時の自分に伝えたいというか。周りの人は変にも思わないし大丈夫だよっていうことを伝えたいなって思ってます。

Q:素晴らしいメッセージをいただきました。では、最後にですね、視聴者の皆さんへ一言お願いします。

A:私は子供時代に膠原病を発症したことから、その小児で膠原病を発症した人の心のケアであるとか、あと親御さんへのサポートの必要性っていうものを強く感じています。

私自身は、その病気の自分はダメな子供だってずっと思いながら、大人になっていったように思います。なので、その同じ、やっぱり膠原病の子供同士であるとか、あと親御さん同士で交流できるような場が増えていったり。あとは専門職の方たちによるケアであるとか、あと周囲の人たちの理解、そういったものが進んでいくといいなと思ってます。

今になって思うのは、病気になってしまったことは親のせいでもないし、私のせいでもないし、誰も悪くないっていうことです。なので、こう病気があっても堂々としていていいっていうか。その、できないことはできないって言っていいし、その助けて欲しい時は周りに助けてもらって、全然いいんだと。そういうことを伝えたいなって思ってます。

Q:ありがとうございます。まきさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

A:ありがとうございました。

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