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masayaさんのプロフィール

【お名前】masaya
【病名】多発血管炎性肉芽腫症
【その他持病】なし
【性別】男性
【発症年齢】20代
【現在の住まい】新潟県
【現在の年齢】33歳(2025年時点)
症状や治療法
● 初期症状
鼻炎に似た症状。高熱と平熱を繰り返した。
● 発症~診断までの期間
2週間~1か月
● 現在の症状
発熱、倦怠感、疲労感、腹痛
● 現在の治療法
ステロイド(プレドニン、ステロイドパルスなど), 免疫抑制薬(イムラン、アザニン、セルセプト、エンドキサン、など)
● 再燃の経験の有無
なし
● 病気のことを一番相談できる人
家族
● 初年度の医療費(窓口負担額)
50万円台
● お仕事の有無
契約社員として週40時間程度就業中
● 日常生活で工夫していること
疲れをためないようにしっかり休んでいる。仕事は休んだり早退したり。
● 周囲にお願いしたいこと
心配しすぎなくても大丈夫。無理はしません。
● 早期発見のために、今の自分ならどう動きますか?
診断、治療が始まっているのに症状が治らないとき。
YouTubeの闘病記録はこちらをご覧ください。
動画投稿日:2022/6/11
masayaさんのご紹介

今回は、膠原病PR協会ミライの代表理事であるmasayaが、多発血管炎性肉芽腫症に罹患した際の闘病記録をインタビュー形式でまとめました。初期症状から診断確定、その後の生活までご紹介しています。
masayaさんの症状と治療
症状や治療内容は、患者さん一人ひとりで異なります。また、注釈に記載している医学用語などの解説は、読みやすさを重視して記載したものであり、医学的な監修を受けた内容ではありません。
詳しくは、かかりつけの医療機関や担当医にご相談ください。
いつもの鼻炎だと思っていたが…

Q:発症してから診断をされるまでの期間は?
A:症状が出始めたのは3月下旬で、最終的に「血管炎」と診断されたのは4月の終わりでした。発症から診断まで、約1か月かかりました。
Q:どんな初期症状がありましたか?
A:毎年この時期になるとアレルギー性鼻炎の症状が出ていたため、最初はいつもの鼻炎だと思っていました。小学生の頃から鼻炎持ちで、年に一度は耳鼻科で薬をもらっていたので、「今年も早めに受診しないとな」と軽く考えていました。
実際、最初の症状は鼻水や鼻づまりといった、ごくありふれたものでした。
Q:症状が出たとき、膠原病を疑いましたか?
A:全く疑っていませんでした。
むしろ、「鼻炎が悪化しただけだろう」「しばらく我慢していれば治る」と軽く考えていました。倦怠感や熱っぽさが出ても、「市販薬で様子を見ていたからだろう」と思い込んでいました。
今振り返ると、普通の鼻炎とは違う症状が出ていたのに、それを見逃していたのだと思います。
CRPが15にまで上昇!

Q:診断確定までの経過や診断のきっかけを教えてください。
A:4月中旬に耳鼻科を受診したところ、副鼻腔炎(蓄膿症)と診断され薬を処方されましたが、その帰り道に強い倦怠感と息切れを感じました。その後も熱が上がったり下がったり、鼻水に血が混じるなどの異変が続きました。
妻から「鼻以外にも原因があるんじゃない?」と指摘され、内科を受診。
血液検査でCRP(炎症反応)が10と非常に高く、何かしら感染症または炎症性疾患の疑いがあると言われました。しかしその時もまだ、「きっと鼻炎の影響だ」と思っていました。
その後、耳鼻科でも「これは鼻炎の範囲じゃない。もう入院してないとおかしいレベルだ」と言われ、ようやく異常事態だと自覚しました。
再度内科を受診した時には、CRPが15にまで上昇していました。「今日からでも入院が必要」と紹介状を渡され、翌日、地元の総合病院を受診しました。
紹介先の病院で鼻の検査を受けた際に大量出血し、その異常さから血液検査とCT検査を実施。その結果、「血管炎の可能性が高い」とされ、その日のうちに緊急入院となりました。
数日後、膠原病内科の先生から「十中八九、血管炎」と告げられ、ようやく正式な診断がつきました。
Q:診断されたときはどのような気持ちでしたか?
A:「血管炎」という聞き慣れない病名に加え、「今日から入院です」と告げられ、正直かなりのショックを受けました。
「なぜ自分が…」という思いや、「もっと早く病院に行っていれば」という後悔が次々と湧いてきました。
ただ、それ以上に「この体調を早く何とかしてほしい」「早く楽になりたい」という気持ちが強く、入院が決まった時は、むしろホッとしたのも事実です。
Q:診断確定してからの治療法について教えてください?
A:診断直後は以下のような治療を行いました。
➀ ステロイド(プレドニン)による治療
診断直後は、1日12錠のステロイド(プレドニン)を服用。すぐに熱が下がり、体調も安定しました。しかし、副作用として高血糖(食後170)や睡眠障害(不眠)が現れました。
② ステロイド点滴への切り替え
経口ステロイドで症状のぶり返しが見られたため、3日間のステロイド点滴を実施。効果は高く、体調が改善しました。
③ リツキサン(免疫抑制剤)の点滴
ステロイドの副作用を抑えるため、週1回、全4回のリツキサン点滴が開始されました。
副作用として発熱がありましたが、事前に解熱剤を服用することで対応。点滴中は強い眠気が出るため、ほとんど眠って過ごしました。
④ 免疫抑制剤の追加
リツキサン4回の点滴終了後は、メトトレキサート(免疫抑制剤)の服薬がスタート。副作用もなく、体調も安定していたため、退院が決定しました。
Q:再燃はありましたか?
A:いまのところありません。
Q:今の治療法はどのようなものですか?
A:プレドニン1日3mg、メトトレキサートの服薬などです。ANCAの値が悪くなってきたタイミングでリツキサンの点滴をしています。
妻が一番の相談相手

Q:今の仕事について教えてください。
A:契約社員として事務の仕事をしています。1日8時間の就業時間で、週5日間です。座りながらの仕事がメインなので、そこまで体調を崩すことはありません。体調が悪い時には無理せず、積極的に休むようにしています。
Q:病気を相談できる人はいますか?
A:病気のことは妻にいろいろと相談しています。二人で一緒に病気と向き合うことが多いです。半面、両親や友達とは毎日会うわけではないので、深く病気のことを説明できずにいます。自分をわかりやすく説明できるといいなと思っています。
Q:周囲の人にお願いしたいことはありますか?
A:今は体調がそこまで悪くないので、気を使いすぎないでほしいです。普通に接してくれる方が、こちらとしても話をしやすいですね。
Q:病気を発症してから日常で困っていることはありますか?
A:急に体調が悪くなることです。比較的、規則正しい生活をしていますが、突然体調が悪化して寝込むことがあります。あと、体調不良の原因が血管炎のせいなのか、まったく別なのか判断できないことが困ります。
早期発見のために

Q:日常で工夫していることはありますか??
A:とにかく疲れをためないようにしっかり休んでいます。夜も22時までには寝るようにしていますし、日常でも休憩を多くとるようにしています。仕事は疲れがたまりやすいので、欠勤や早退を積極的にとって、体調優先にしていますね。
Q:病気の発症前と後で変わったことはありますか?
A:日々の生活を大事に過ごせるようになったと思います。病気になる前まではどちらかというと仕事ばかりでした。妻からは、「病気になってから性格が180度変わったよね」と言われます。病気の影響でできないことは増えましたが、夫婦仲はよりよくなったと思います。
Q:早期発見するためには何が大事だと思いますか?
A:当時の私は、血管炎を「ただの鼻炎」と信じ切って、それ以外の病気の可能性から目を背けていました。妻の言葉や自分の不調にもっと早く気付いて、別の病院に通うなどいていればよかったと思っています。
Q:視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。
A:膠原病は誰にでも、突然発生する可能性のある病気群です。そして検査をすれば必ず見つかるわけでもありません。ですが、一人でも多くの人が膠原病のことを理解して、声を上げることで、今までよりも早く病気を見つけられると思っています。自分や大切な家族が苦しまなくて済むよう、この活動を続けていきたいです。
