一般社団法人膠原病PR協会ミライは、2025年7月3日の設立以来、ミッションである「これって膠原病かも?と言える社会を目指します」の実現に向け、活動を開始しております。この度、当協会は、一般市民300名を対象に実施した「膠原病に関する認知度調査」の結果をまとめましたので、ご報告いたします。
この調査は、希少疾患・難病分野での支援を行う株式会社ピアハーモニー様の協力を得て実施されました。
調査結果の概要:知識不足と受診行動の遅れが深刻な課題
本調査では、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)など、自己免疫の異常によって起こる慢性の炎症性疾患の総称である膠原病に対する一般市民の知識や印象を把握しました。
主な調査結果として、以下の深刻な課題が浮き彫りになりました。
1. 「膠原病」の言葉自体の認知度がきわめて低い

◦ 約8割 の一般市民が膠原病について「ほとんど知らない」状況です。具体的には、「初めて聞いた」(約49%)と「名前だけ聞いたことがある」(約32%)を合わせると約8割に達します。
◦ 内容まで知っていて説明できる人は、わずか3.7%(11人)にとどまっています。特に若年層の認知度は低く、10代では「初めて聞いた」がほぼ全員を占める傾向が見られました。
2. ネガティブな誤解が先行し、具体的なイメージが乏しい

◦ 膠原病に対するイメージは、「イメージがない」(約56%)が最も多く、知識の欠如を反映しています。
◦ 何らかのイメージを持つ場合でも、「まれな病気」(17.3%)や「治らない病気」(17.0%)といったネガティブで漠然とした印象 が中心でした。実際には、関節リウマチのように国内患者数が80万人以上と多い病気も含まれますが、多くの人が「難病=希少で治療困難な病気」という誤解を抱いていると考えられます。
3. 早期受診を遅らせる傾向が顕著

◦ 自分や家族に膠原病の疑いがあると感じた場合の対応として、約6割の人が積極的に医療機関を受診しない傾向 にあります。「特に何もしない」(34.7%)または「インターネットで症状を調べる」(26.3%)にとどまっていました。
◦ 本来は早期の専門医受診が望ましいにもかかわらず、このような結果となり、専門医への受診を遅らせる傾向があることが明らかになりました。
4. 公的支援制度の認知不足

◦ 難病患者向けの公的支援制度である「特定医療費(指定難病)制度」について、約7割(67.7%)が「知らなかった」と回答しました。
今後の取り組み:知識の普及と誤解の是正
今回の調査結果は、膠原病の診断が難しい病気群であり、専門医にたどり着くまでに時間を要するケースが少なくないという現状を裏付けるものであり、一般市民の知識不足が受診行動の遅れに直結している深刻な課題を示しています。
当協会は、この課題を克服し、「これって膠原病かも?と言える社会」の実現に向け、以下の啓発活動を強化してまいります。
• 基礎知識の普及と誤解の是正: 膠原病が自己免疫疾患であること、「不治の病」という誤ったイメージの払拭、「適切な治療で寛解を目指せる」という前向きな情報の提供。
• 早期受診の促進: 膠原病が疑われる症状が出た際には、早期に**専門医(リウマチ・膠原病内科医など)**に相談することの重要性を訴えます。
• 公的支援制度の周知徹底: 「特定医療費(指定難病)制度」など、患者や家族が利用できる公的支援制度の存在と内容を積極的に周知します。
• 身近な事例の紹介: 患者や家族の体験談を紹介し、膠原病を「誰にでも起こり得る身近な病気」として認識してもらえるよう働きかけます。
難病に向き合う人々と医療をつなぐ支援企業からのコメント
今回の調査にご協力いただいた株式会社ピアハーモニー様は、患者の声を医療者・製薬会社に届けることをミッションとされており、難病患者が孤立しない社会を目指して活動されています。
同社の代表取締役社長 深井祐太様からは、今回の調査結果を踏まえ、患者さんの孤立を防ぐことの重要性について、以下のコメントをいただいております。
「調査から見えてきたのは、膠原病に関する認知度がまだまだ低いということ、そしてその影響で患者さんが日常生活や仕事の場面で理解を得られず、孤立感や不安を抱えているという現実です。倦怠感や痛みといった症状は、本人にとっては大きな負担であるにもかかわらず、なかなか言葉にして伝えにくいものです。こうした課題に向き合うためには、膠原病を『まれな病気』や『自分には関係ない病気』と捉えるのではなく、誰にとっても身近に起こり得るものとして正しく理解していただくことが必要だと思います。」
深井社長は、当協会が掲げる「これって膠原病かも?と言える社会を目指す」というビジョンが、「患者さんの孤立を防ぎ、社会全体の理解を深めていく大きな力になる」と強い期待を表明されています。
当協会は、ピアハーモニー様をはじめとする支援企業や関係者と協力し、引き続き情報発信と教育を行っていくことで、患者の皆様がより早く診断を受け、QOLの高い生活を送れる社会の実現に貢献してまいります。
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関連情報
本調査の詳細は、プレスリリースにてご確認いただけます。 (本記事は、2025年9月26日に配信されたプレスリリースに基づいています。)
株式会社ピアハーモニーは、難病疾患を抱える患者やその家族を支援するためのオンラインプラットフォームの開設や、新薬の開発への貢献を目指して活動されています。
膠原病PR協会ミライは、2025年7月3日に設立され、膠原病の認知度向上、早期診断の促進、患者さんのQOL向上を目的として活動を展開しています。
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