全身性強皮症”彩”さんのインタビュー

目次
  1. 彩さんのプロフィール
  2. 彩さんのご紹介
  3. 彩さんの症状と治療
    1. これはレイノー現象かもしれない
    2. 感染したら命に関わるかもしれない
    3. 医療機関とつながることを諦めない

彩さんのプロフィール

彩さん

【お名前】彩

【病名】全身性強皮症

【その他持病】皮膚筋炎、間質性肺疾患、逆流性食道炎

【性別】女性

【発症年齢】60代

【現在の住まい】埼玉

【現在の年齢】66歳(2025年時点)

症状や治療法

● 初期症状

レイノー現象、喉や食道の違和感、手荒れ

● 発症~診断までの期間

1年~2年以内

● 現在の症状

レイノー現象、疲労感、手指の荒れ

● 現在の治療法

ステロイド(プレドニン、ステロイドパルスなど)、免疫抑制薬(イムラン、アザニン、セルセプト、エンドキサン、など)

● 再燃の経験の有無

なし

● 病気のことを一番相談できる人

医師/医療関係者

● 初年度の医療費(窓口負担額)

10万円未満

● お仕事の有無

パート/アルバイトで週10時間程度就業中

● 日常生活で工夫していること

体を冷さない、家事等の労働は短時間に分割し疲れたら体を休める、食生活に気を配ったり毎日軽い運動するなど一般的な健康管理を守る。

● 周囲にお願いしたいこと

難病患者には外見は健康そうに見えても免疫抑制剤等を内服し常に感染予防に気をつけている人や、疲れ易く休み休み行動している人等、様々に配慮を必要とする人がいることを知ってほしいです。
身近に難病患者がいたらその人の話にしっかり耳を傾けて欲しいです。

● 早期発見のために、今の自分ならどう動きますか?

医師だけでなく、薬局や保健所等いろいろな相談窓口をあたって良い相談相手を見つける。諦めない。自分の気になる症状を時系列で記録に残し、できるだけ正確に医師等に伝える。

YouTubeインタビューはこちらをご覧ください。
動画投稿日:2024/06/02

彩さんのご紹介

Masaya

本日は全身性強皮症の患者さんである彩さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

彩さん

よろしくお願いします。

Masaya

まずは自己紹介をお願いします。

彩さん

私は保健師として、長年、県や市町村で働いていました。彩と申します。
2021年にレイノー現象が出始めて、近くの膠原病専門の医療機関を受診したところ、間質性肺炎を合併した全身性強皮症と診断されました。

Masaya

ありがとうございます。これからいろいろと伺ってまいります。

彩さんの症状と治療

症状や治療内容は、患者さん一人ひとりで異なります。また、注釈に記載している医学用語などの解説は、読みやすさを重視して記載したものであり、医学的な監修を受けた内容ではありません。
詳しくは、かかりつけの医療機関や担当医にご相談ください。

これはレイノー現象かもしれない

階段を上る女性
階段を上る女性

Q:発症した時期や、初期症状について改めて教えていただけますか?

A:診断の1〜2年前くらいから、手が非常に乾燥して荒れて、特に水仕事をすると切れてしまっていました。そのため皮膚科に通っていました。

2021年ごろになると、家の階段を登るだけで息切れしたり、とても疲れやすくなっていました。ある時、指先が真っ白になっているのに気づいて、「これはレイノー現象かもしれない」と思ったんです。

保健師として学んだ知識を思い出し、ネットで情報を調べた結果、膠原病の可能性があるとわかり、専門の医療機関を受診して、全身性強皮症と診断されました。

Q:彩さんは診断後、入院はされましたか?

A:いえ、入院はしていません。呼吸器内科の先生から「通院での治療で大丈夫」と言われ、現在まで入院せずに治療を続けています。

感染したら命に関わるかもしれない

ソファーに座る女性
ソファーに座る女性

Q:治療ではどんな薬を使っていましたか?

A:最初は近くの病院でエンドキサンを使用しましたが、転院した次の医療機関では「長期使用は難しい」とのことで中止し、プレドニンの内服を開始しました。

注釈

「エンドキサン」は、がんや膠原病などの治療に使われる薬で、免疫の働きを抑える効果があります。正式には「シクロホスファミド」と呼ばれ、細胞の増殖をおさえる作用があるため、異常な免疫反応やがん細胞の増殖を抑える目的で使われます。副作用として、白血球の減少や吐き気、脱毛などが起こることがあります。医師の指導のもとで適切に使用されると言われています。

プレドニンは15mgから徐々に減薬し、現在は5mgまで減っています。減薬を進めるために、免疫抑制剤のセルセプトも併用していますね。

注釈

「セルセプト」は、免疫の働きを抑える薬で、主に臓器移植後の拒絶反応を防ぐためや、膠原病などの自己免疫疾患の治療に使われます。正式名称は「ミコフェノール酸モフェチル」で、免疫細胞の増殖を抑えることで、体が自分自身を攻撃するのを防ぎます。副作用として、感染症にかかりやすくなったり、胃腸の不調が起こることがあるそうです。使用は医師の指示に従って慎重に行われます。

Q:日常生活で気をつけていることがあれば教えてください。

A:一番気をつけているのは感染予防です。特に新型コロナの流行以降、「感染したら命に関わるかもしれない」という恐怖がずっとありました。

周囲の人たちも当初は注意してくれていたのですが、最近では「もう普通の風邪みたいなものだよね」という雰囲気になってきて…。

でも私は免疫抑制剤を使っているので、これからも感染対策は続けていかなければならないと思っています。 後は長く付き合っていく病気だと思うので、医師とのコミュニケーションを取るのが本当に大事です。自分自身もレベルアップして治療に向き合うようにしています。

医療機関とつながることを諦めない

夫と会話する女性
夫と会話する女性

Q:周囲のサポートもとても重要だと思いますが、ご家族やご友人に病気を伝える時、工夫していることや難しいと感じることはありますか?

A:家族には治療が変わったときなど、できるだけ伝えるようにしています。

でも疲れやすさなど、自分でも病気のせいか心の問題なのか分からず、家族に「疲れてる」と言いづらく、つい我慢してしまうこともありますね。

LINEのオープンチャット(ほっと強皮症)では「強皮症ハンドブック」という資料が作られていて、そういったものを読んでもらうことで少しずつ理解してもらえるようになってきました。

Q:ありがとうございます。では最後に、動画をご覧になっている視聴者の方々に、メッセージをいただけますか?

A:私たちは難病と診断され、とても辛い時期もありました。でも今は、専門医療機関を受診することで、新しい治療法も見つかりつつあります。

ですから、もし診断されても落ち込まず、良い医療機関とつながることを諦めないでください。

たとえば全身性強皮症なら、LINEのオープンチャット「強皮症患者さんのピア相談室」に参加することで、専門医へのつながり方や、辛いとき・楽しいときに仲間と支え合うこともできます。

ぜひ近くの患者会にも参加して、正しい情報を得て、楽しく前向きに一緒に頑張っていきましょう。くじけないで、一緒に歩んでいきたいと思います。よろしくお願いします。

Q:ありがとうございました。本日は、全身性強皮症を経験されている彩さんにお越しいただき、お話を伺いました。改めて、彩さん、本日はありがとうございました。

A:ありがとうございました。

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