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さくまさんのお子さんのプロフィール

【お名前】さくまさんのお子さん
【病名】全身性エリテマトーデス
【その他持病】
【性別】ー
【発症年齢】10歳未満
【現在の住まい】北海道
【現在の年齢】20代(2025年時点)
症状や治療法
● 初期症状
倦怠感、蛋白尿、やせる
● 発症~診断までの期間
2か月~半年
● 現在の症状
倦怠感
● 現在の治療法
ステロイド(プレドニン、ステロイドパルスなど)、 免疫抑制薬(イムラン、アザニン、セルセプト、エンドキサン、など)
● 再燃した経験の有無
あり
● 病気のことを一番相談できる人
家族
● 初年度の医療費(窓口負担額)
30万円台
● お仕事の有無
学生
● 日常生活で工夫していること
寝ること。
● 周囲にお願いしたいこと
分かりにくいですが、疲れやすいときがあります。でも、元気な時は元気です。
● 早期発見のために、今の自分ならどう動きますか?
気のせいとか、関係ないとか自分で判断しないで、病院に相談してみる。
YouTubeインタビューはこちらをご覧ください。
動画投稿日:2024/05/12
さくまさんのご紹介

本日は、お子さんが全身性エリテマトーデスの患者さんである、さくまさんをお呼びしました。さくまさん、本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

では、早速インタビューを始めさせていただきます。
さくまさんのお子さんの症状と治療
症状や治療内容は、患者さん一人ひとりで異なります。また、注釈に記載している医学用語などの解説は、読みやすさを重視して記載したものであり、医学的な監修を受けた内容ではありません。
詳しくは、かかりつけの医療機関や担当医にご相談ください。
小学校の尿検査で異常が・・・

Q:お子さんはどういったご病気をお持ちでしょうか?
A:うちは子どもがSLE(全身性エリテマトーデス)を持っています。
Q:ありがとうございます。初期症状が出始めたのはいつ頃でした?
A:小学校の高学年のときです。
Q:それまでは、何か持病や気になる症状などはありましたか?
A:いえ、全くなく、元気でよく遊ぶ子でした。
Q:最初に気づいたきっかけは何でした?
A:実は症状からではなく、学校の検尿で異常が見つかって、そこからかかりつけ医に行き、専門の病院を紹介されて診断がつきました。
思い返せば、少しだるそうだったり、お昼寝の時間が延びていたりということはありましたね。
mixiで知り合った人に励まされた

Q:診断確定まではスムーズだったんですね。
A:そうですね。ループス腎炎だったこともあり、腎生検を受けるまでに1か月、その結果が出るまでに5週間かかりました。それでも比較的早かった方だと思います。
Q:SLEという病気については、もともとご存知でしたか?
A:はい。私は看護師をしているので、診断名としては知っていました。
学生時代に自己免疫疾患の一つとしてSLEを学び、特に注意が必要なのがループス腎炎であるということも理解していました。
ただ、自分の子どもがその病気になって、初めて「これがSLEの倦怠感なんだ」と実感しました。自分が体感した疲労感とは全く違っていて、驚きましたね。
Q:お子さん自身は、診断をどう受け止めていました?
A:やはり子どもなので、「治らない病気」があることも、「一生薬を飲み続ける人がいる」という現実も知らなかったんです。だからこそ、「治ったら元に戻れる」と思って治療をしていました。その認識の違いに対して、彼女なりの葛藤は大きかったと思います。
Q:私(masaya)も30歳手前で診断されたとき、受け止めるのに時間がかかりました。若いときに診断を受けると、受け止めにも時間がかかりますよね。
A:そうですね。
当時はmixiの時代でした。私がたまたま小学生の頃に発症して、今は30代になっている方のブログを見つけて、「この人の話、読んでみたら?」と娘に紹介したんです。
彼女は「やり取りしてみたい」と言って、初めて自分からメールを送りました。その出会いにすごく励まされたようで、表情が少しすっきりしていました。本当にありがたかったですね。
ママ!お布団に沈んじゃう!

Q:診断後はすぐ入院されたのでしょうか?
A:はい。すぐに入院して、点滴治療を受けました。
Q:付き添いは毎日されていたんですか?
A:最初の頃はずっと付き添っていました。その後は夫や祖母とも協力して分担し、後半は娘が一人で過ごす時間もありました。
Q:やはり家族のサポートが重要になりますね。
A:そうですね。付き添いながら少しずつ回復していく姿を見られたことで、私自身も気持ちを保てました。他のお母さんたちと話す中で、気持ちを整理していけたというのも大きかったです。副作用の話なども、先に経験している方の声がとても参考になりました。
Q:症状を周囲に伝えるのが難しい病気でもありますよね。
A:そうなんです。ある日、寝ていた娘が突然起きて「ママ、抱っこ」と泣き叫んだことがありました。「引っ張られる!お布団に沈んじゃう!」って。
それを近くにいたリウマチ患者さんに話したら、「それ、だるすぎるんだよ」って言われて。普通の疲労とは違う、体が沈むような感覚。それを聞いて初めて、これがこの病気の倦怠感なんだと理解できました。
Q:退院後は、すぐに学校へ復帰されたんですか?
A:はい。退院した翌週から本人が「えいっ」と言って登校しました。ただ、遅刻や早退を繰り返しながら、徐々に慣らしていく形でした。最初は1日2時間が限界と言われていたので、中休みに合わせて登校して、給食前に帰るという日々が続いていました。
診断名を見てもわからない先生

Q:お子さんが学校に戻ることに関して、不安はありませんでしたか?
A:もちろんありました。院内学級を離れるときに、「もう安心できる場所がなくなるかもしれない」と、彼女なりにお別れをしていたので、内心は不安が大きかったと思います。
Q:学校との連携について、工夫されたことはありますか?
A:具体的に伝えることを意識しました。たとえば「見守ってほしい」のか「手を貸してほしい」のかを明確に伝えること。
また、日焼け止め一つ取っても、「自分で塗り直すのか」「先生にお願いするのか」で対応が変わりますよね。そこは具体的にお願いするようにしていました。
Q:中学や高校ではどうされていましたか?
A:その頃になると、「何かあったら本人に聞いてください」と伝えるようにしました。健康カードには最低限の情報を書きますが、診断名を見てもわからない先生が多いので、本人が伝えることが大切になります。
Q:病気について、他の人にどう伝えていますか?
A:「自分の体を自分のばい菌だと思って攻撃してしまう病気です」と説明しています。だから、攻撃を抑える薬や炎症を抑える薬を飲んでいる、と。
でも、なかなか伝わらないですね。
「私はよくやった」と思える生き方をしてほしい

Q:確かに、言葉だけでは伝わらない部分ってありますよね。
A:そうですね。「元気になったよ」という話を期待されることも多いですが、実際はそう単純じゃないんです。他の病気のお子さんの親御さんから「心配そうな顔して起こしに来るのが嫌だった」と言われたこともあって。「普通」に見ないでほしいって。その気持ちも、よくわかります。
Q:最後に、同じようにお子さんが難病を持つ親御さんや視聴者の方に向けて、メッセージをお願いします。
A:知らない病名を告げられた時、目の前が真っ暗になるような感覚を私も体験しました。でも、病気であっても「私が私でよかった」と思って生きてほしいなと思っています。
「病気になってよかった」と話す患者さんもいますが、私はそうなってほしいとまでは思いません。ただ、「私はよくやった」と思える生き方ができるように、サポートしていきたいです。
そして、もしお母さん自身が育児を楽しめなくなっていたら、それはSOSを出している証拠だと思います。そんな時は、うちの会に来てもいいし、誰かと過ごしてみてもいい。お子さんのいいところに目を向ける時間を持ってもらえたらと思います。 病気の中でも、楽しいことや幸せなことを感じられるように過ごしていけたらいいですね。
Q:さくまさん、本日はありがとうございました。
A:ありがとうございました。