混合性結合組織病”たけち”さんのインタビュー

目次
  1. たけちさんのプロフィール
  2. たけちさんのご紹介
  3. たけちさんの症状と治療
    1. 出産直後の腱鞘炎の痛みが引かない
    2. 発症から半年後、EICUに入院
    3. コロナ禍の習慣を継続
    4. 私自身の症状や状態を理解してほしい

たけちさんのプロフィール

たけちさんアイコン

【お名前】たけち

【病名】混合性結合組織病

【その他持病】肺動脈性肺高血圧症、副鼻腔炎

【性別】女性

【発症年齢】30代

【現在の住まい】埼玉県

【現在の年齢】34歳(2025年時点)

症状や治療法

● 初期症状

関節痛、筋肉痛

● 発症~診断までの期間

2か月~半年

● 現在の症状

倦怠感、関節痛、筋肉痛、 レイノー症状、 疲労感、 動悸、息切れ

● 現在の治療法

ステロイド(プレドニン、ステロイドパルスなど), 免疫抑制薬(イムラン、アザニン、セルセプト、エンドキサン、など)

● 再燃の経験の有無

なし

● 病気のことを一番相談できる人

その他

● 初年度の医療費(窓口負担額)

10万円未満

● お仕事の有無

正社員にて週30時間~40時間以内で就労

● 日常生活で工夫していること

日光になるべく当たらないようにする事、傷や肌荒れを作らないようにする事、できる範囲で運動する事、自分の出来ることを把握してその範囲をなるべく超えない事。

● 周囲にお願いしたいこと

日毎・時間毎で体調に変化があるという事、診断後やステロイドの影響で感情が自分でもコントロールが難しい事、元気そうで元気でないこともあると言う事。

● 早期発見のために、今の自分ならどう動きますか?

おかしいな?と思ったら病院にかかる事、関係ないと思っても先生に話してみる事、複数の科で話をしてみる事

YouTubeインタビューはこちらをご覧ください。
動画投稿日:2024/08/04

たけちさんのご紹介

Masaya

本日は混合性結合組織病(MCTD)の患者であるたけちさんにお話を伺います。よろしくお願いします。

たけちさん

よろしくお願いします。

Masaya

まずは自己紹介をお願いします。

たけちさん

たけちと申します。混合性結合組織病(MCTD)、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、そして現在は副鼻腔炎の治療も行っています。現在は会社員で、在宅勤務と時短勤務を組み合わせて働いています。

Masaya

ありがとうございます。混合性結合組織病は、MTCDと略して紹介していきます。それでは早速、いろいろとお伺いさせてください。

たけちさんの症状と治療

症状や治療内容は、患者さん一人ひとりで異なります。また、注釈に記載している医学用語などの解説は、読みやすさを重視して記載したものであり、医学的な監修を受けた内容ではありません。
詳しくは、かかりつけの医療機関や担当医にご相談ください。

出産直後の腱鞘炎の痛みが引かない

腱鞘炎の痛みを我慢する女性
腱鞘炎の痛みを我慢する女性

Q:MCTDを発症されたきっかけを教えてください。

A:出産直後、腱鞘炎の痛みがなかなか引かず、その少し後にレイノー現象が現れました。その後、肘や首などの関節痛、むくみといった症状が現れ、診断につながりました。

ただ思い返せば、20代後半から異常なほど疲れやすく、体力をつけても倦怠感が続いていました。当時は「アラサーだからかな」と思っていたのですが、今思えばSLEに特有の倦怠感だったのかもしれません。

Q:もともと持病はありましたか?

A:診断がついていたのはPMS(月経前症候群)くらいで、他に持病はありませんでした。

注釈

PMS(月経前症候群)は、生理の数日前から心や体に現れる不調のことです。イライラや落ち込み、頭痛や腹痛、眠気など症状は人それぞれ。原因はホルモンの変化とされ、日常生活に支障が出ることもあると言われます。

Q:診断に至るまで、いくつか病院を回られたのですか?

A:最初は腱鞘炎だと思って接骨院や整形外科に通っていました。ちょうどその頃、産後に階段から落ちて骨折し、接骨院で治療を受けていたのですが、通院終了間際の雑談の中で「指が白くなるんですけど…」と話したところ、「膠原病の可能性もある」と言われ、血液検査を受けたのがきっかけです。

そこから今の病院の膠原病内科を紹介され、検査の結果、すぐに診断が確定しました。

発症から半年後、EICUに入院

集中治療室のドア
集中治療室のドア

Q:最初の治療について教えてください。

A:診断後、自宅近くの総合病院に転院し、3か月ごとの通院、頓服薬のカロナール、レイノー現象のためのトコフェロールを処方されました。
ただ、授乳中だったためトコフェロールの服用には悩みましたが、影響が少ないこと、授乳回数も減っていたことで服用を始めました。

Q:入院もされたんですね?

A:はい。発症から半年後の2023年5月から2か月間入院しました。初期症状は軽かったのですが、急に高熱や息苦しさが現れ、総合病院で「心臓に水が溜まっているかも」と言われ、診断された病院に搬送されてEICUに入院しました。

注釈

EICU(救急集中治療室)は、重篤な状態の救急患者を集中的に治療・管理する専門病棟です。
交通事故や心停止、重度の感染症など、迅速な処置が必要な患者が対象です。専門医や看護師が24時間体制で対応し、高度な医療機器も整備されています。命を守る最前線の現場です。

Q:その頃からステロイド治療も始まったのですか?

A:はい、ステロイドの服用を50mgからスタートし、現在は9mgまで減量しています。点滴はせず、すべて内服での治療です。

Q:今の治療について教えてください。

A:現在は膠原病内科、循環器内科、耳鼻科に通っています。膠原病内科ではプレドニゾロン(ステロイド)、タクロリムス、セルセプト、アレンドロン酸などを服用しています。

プラニケルも試用中です。循環器内科ではオプスミットを服用しています。耳鼻科ではルパフィン、モンテルカストを使用中です。 寛解には至っておらず、今も治療継続中です。

コロナ禍の習慣を継続

手洗いをする女性
手洗いをする女性

Q:MCTDに関する情報はどこから得ていますか?

A:診断後すぐにX(旧Twitter)でアカウントを作り、同じ病気の方々とつながりました。また、SLEや強皮症のオープンチャットにも参加し、セミナーやおすすめグッズ、本などの情報を得ています。

Q:日常生活で気をつけていることは?

A:紫外線に弱く、紅斑(こうはん)や蕁麻疹(じんましん)が出るため、サングラス・日焼け防止マスク・UVカットの羽織・日傘などで対策をしています。

また、疲れやすいのでこまめに休憩を取るようにしています。感染症対策も重要で、手洗い・うがい・着替えなど、コロナ禍の習慣を今でも続けています

Q:ご家族のサポートについて教えてください。

A:夫は私の入院中、育児と仕事をフルタイムでこなしてくれました。「覚悟が決まった」と言ってくれて、今でも私が不調なときはすぐに代替案を出してくれる、頼れる存在です。

Q:ご両親や友人にはどう伝えましたか?

A:友人にはEICUに入院中、LINEで知らせた人が多いです。伝えられなかった人には直接会ったときに話しました。
両親や義両親には、診断確定や入院時に伝えましたが、心配をかけすぎないよう詳細は控えました。

私自身の症状や状態を理解してほしい

産業医に相談する女性
産業医に相談する女性

Q:職場には病気のことを伝えましたか?

A:はい。診断確定後の面談で上司に伝え、産業医との連携につながりました。復職時には、できること・できないこと・配慮してほしいことを整理して伝えました。

ただ、時間が経つにつれ、理解が薄れてしまうこともあるので、そこは今の悩みのひとつです。

Q:今、職場に望む配慮は?

A:体調が日によって、また時間によっても変わることをご理解いただきたいです。ただ、あくまで「病人」として特別視されるのではなく、「理解してもらえる」ことが大事だと思っています。病気そのものより、私自身の症状や状態を理解していただけたらうれしいです。

Q:最後に、同じような状況の方へメッセージをお願いします。

A:私もまだまだ悩みながら、少しずつ前に進んでいる最中です。誰かの力になれたらというより、「一緒に歩んでいけたら」という気持ちです。
この病気は一人で乗り越えるものではないと思っています。ぜひ支え合い、情報交換をしながら、一緒に頑張っていきましょう。

Q:たけちさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

A:ありがとうございました。

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